宣教 M. N
彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた。
使徒言行録1章 14節
主イエスの昇天を見届け、現実に引き戻された弟子たちは「皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた」(14節)。彼らは自ら熱心に祈らざるを得なくなった。「約束を待て」と命じられたものの、それが何であるのか、いつ実現するのかは全く知らされていない中で、彼らはただ漫然と時を過さず、また人間的な思いや知恵を頼りにし、闇雲に動き始めることをしなかった。主イエスを救い主と信じ従う弟子たちは、まず神のもとに身を投げ出し、神さまの導きと御心を求めた。そのようなところに教会の土台が形作られていった。
更に弟子たちは、「婦人たち」「イエスの母マリア」「イエスの兄弟たち」と「心を合わせて」祈った。それまで、ユダヤ社会の中で「一人前の人間」として認められていなかった女性たちは、男性の弟子たちと共に礼拝や祈りをささげることはなかったであろう。また、弟子たちにとって、それまで「主イエスの家族」というのは「主イエスを理解しない愚かな者ども」であった。復活の出来事は、そのような線引きや勝手な決めつけを取り払い、心を合わせ共に祈る友として結び合わせたのである。そのようなところに教会の土台が形作られていった。
心を合わせた熱い祈りの中で神の御心と御言葉を示され、彼らは具体的な次の行動に移った(15節以下)。事を起こされる神に絶対的な信頼を寄せ、祈りつつ、するべき事をしながら、彼らは待った。その先に、あのペンテコステの出来事が起こったのである。
アイキャッチ画像 Thank you!! to Gerd AltmannによるPixabay