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主日礼拝宣教要旨

2018年5月27日(日)礼拝宣教要旨 「ボアネルゲと呼ばれた男」ルカによる福音書9章51-56節

西川口キリスト教会 斎藤信一郎牧師

 

「弟子のヤコブとヨハネはそれを見て、『主よ、お望みなら、天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか』と言った。イエスは振り向いて二人を戒められた。」ルカによる福音書9章54-55節

 

 主イエスの最初の弟子の一人であり、弟と共に主イエスの側近三人衆となったヤコブ。気性が激しかったことから「ボアネルゲ=雷の子ら」とあだ名が付けられました。ヤコブの母も聖書に登場し、マタイによる福音書20章では主イエスに息子たちを特別待遇してもらうように願い出ています。また、十字架の場面では、遠くで見守る女性たちの中に「ゼベダイの子らの母」がいます。マルコによる福音書の同箇所ではサロメという名前があることから、これが彼女の名前ではないかと考えられています。マルコによる福音書1章によれば父親は雇い人たちがいる漁師でした。聖書では繰り返し「ゼベダイの子ら」と表記されていることから、父親も本業に専念しながら陰で主イエスと妻と息子たちの宣教を経済的にサポートしていた可能性があります。

 このような家族を持つヤコブとは、どのような人物であり、どのように活躍したのでしょうか。今回の場面は主イエスが弟子たちを町々に宣教に遣わし、2度目の受難予告をした後です。ルカによる福音書9章51節では主イエスが十字架への道のりを意識しながらエルサレムに向かう覚悟が語られています。既にユダヤ人たちに命を狙われていました。ユダヤ人たちと敵対関係にあったサマリア地方を通る方が安全上も距離短縮の上でも利点がありました。しかし、サマリア人たちは、彼らが反感を持っているエルサレムを一行が目指していることを知り、歓迎しなかったようです。それを知ったヤコブ兄弟の上記のことばが問題でした。人々を滅ぼすためではなく、救いへ導くために宣教をしておられた主イエスです。すぐさま彼らを戒めます。ここに短気で怒りっぽく、つい言い過ぎて後で後悔するようなヤコブの性格が垣間見えています。

 主イエスが近くに置き、宣教に遣わした弟子たちは、現代で教会が招聘する牧師像とは大きく食い違っていました。学歴、聖書知識、社会的地位や人望も求められませんでした。これらを求めるならパリサイ人や律法学者たちの方が適任だったことでしょう。主イエスが求めたのは福音宣教への忠実さでした。使徒言行録12章に主イエスの昇天後、ヤコブが十二弟子の中で最初の殉教者になったことが報告されています。最後までキリストに忠実だった使徒ヤコブでした。欠けの多い人材を用いられる主イエスです。そこに希望を見いだします。

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