西川口キリスト教会 斎藤 信一郎牧師
◆今月の主題…「キリストのご降誕・復活・再臨の希望」
聖書教育誌は、主イエスの降誕物語の前に、主イエスの復活物語から始める意義を見出す試みをしています。再臨も、キリスト教会において、クリスマスと共に大切にされて来ました。クリスマスが復活・再臨とどう結びつき、私たちの希望につながるのか、ご一緒にみことばに聞いて参りましょう。
<原則として、ご自分で聖書本文を読み、黙想してから以下の文章、聖書教育誌、その他の参考文献を読むことをお奨めします。また、黙想の際に聖書地図で確認し、違う聖書訳を比較して読むこともお奨めします。>
※『聖書教育』誌は日本バプテスト連盟発行の教会学校教
◆黙想のポイント
18節~20節の主イエスの言葉は、『大宣教命令』と呼ばれ、キリスト教における最重要用語の一つです。この言葉の意味を黙想し、キリストが私たちに命じているクリスチャンの使命について、共に分かち合いましょう。
◆弟子たちを派遣する
28:16 さて、十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。
28:17 そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。
>>>マタイ福音書では、復活された主イエスに会ったマグダラのマリアが、弟子たちに主イエスの言葉を伝えます。主イエスが先にガリラヤに行かれるので、そこで会えるという内容です。しかし、弟子たちの中には、主イエスに会ってもすぐには信じることができず、疑う者たちもいたことが語られています。そのような弟子たちを含めて、主イエスは彼らに大宣教命令を伝えられたと聖書教育誌は解釈しており、いい視点だと思います。
28:18 イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。28:19 だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、28:20 あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
>>>主イエスは18節「一切の権能」という言葉を用いながら、ご自身が神の全権と信任を受けて弟子たちに命じることが宣言されます。そして19節で語られるように「すべての民」という言葉を用いながら、世界中に出かけて行き、すべての人をキリストの弟子にして、彼らにバプテスマを授けるようにと命じます。また20節で語られるように、主イエスの命令を「すべて」守るようにと教えます。これらのことを、一切の妥協なしに実行せよと主イエスは弟子たちに命じたのです。このことは、弟子たちの未熟さや疑いとは関係ないこととして語られています。復活された主イエスの権威によって、すべての弟子たちに与えられる最高の栄誉として語られます。別の言い方をすれば、主イエスがすべての責任を共にとって下さるということです。
主イエスを度々裏切った弟子たちでした。この時も主イエスの復活を、半信半疑の想いで受け止める弟子たちもいました。それでも主イエスは、ガリラヤという生活の現場に「彼らよりも先に」戻り、追いついた「彼らに近寄り」、彼らに全世界に出て行くようにと語りつつ、ご自身も常に世の終わりまで「共にいる」と宣言して、私たちよりいつも先に現場に行って状況を整えて下さるお方です。
◆話し合いのポイント<聖書教育誌を読んで>
- 主イエスの復活を疑う人々も含め、彼らを弟子として数えて下さっている主イエスという聖書教育誌の理解について、あなたはどのように思いましたか。また、そのような者たちにも、主イエスは大宣教命令を託して下さることについて、あなたはどのように受け止めたでしょうか。
青年成人科)
- 復活についてどう考えているかを率直に語り合うように奨めています。十字架のあがない同様に、復活の意義を実感しておられるでしょうか。そんな切り出しから会話がはずむかも知れません。
- 「私たちだからこそ伝えられる誰か」がいないかを問いかけています。いるとすれば、どういう人でしょうか。興味深い投げかけです。
少年少女科)
- とがめることなく、再び私たちを弟子として下さる主イエスの愛について語っています。あなたはどう思われるでしょうか。
- 「疑う」ということがネガティブに受け止められがちですが、「疑う」ことのいい面もあるのではないかとの視点について、あなたはどう思われたでしょうか。
参考)
間もなく年内に、南部バプテスト連盟に所属する、アメリカ・カルフォルニア州のサドルバック教会において、インド国内の、すべての部族の言語への聖書翻訳が完了した祝典が行われるそうです。2010年時点で残り約3000言語だった聖書翻訳が、この8年間の作業によって現在1000言語以下にまで減って来ているそうです。主イエス・キリストの大宣教命令は、あと数年で一つの結実を迎えます。世界中のクリスチャンたちの献身的な聖書翻訳作業によって、いよいよすべての民族が、その固有の言葉で聖書を手にする日が近づいています。共にこの大事業が完成し、祝福されるように祈りましょう。
なお、このサドル・バック教会は、今年8月に5万人目のバプテスマを授けることができたことを、教会あげて感謝しています。サドル・バック教会は、当初から主任牧師をしているリック・ウォーレン牧師とともに歩み、1980年に9人のバプテスマから始まりましたが、今年の8月には19キャンパス(礼拝所?)で数百人がバプテスマを受けたといいます。
サドル・バック教会は転会者を極力迎えず、普段教会に行っていない人々に伝道し、それに合わせた教会形成をして成長して来た教会です。主イエスの大宣教命令を、今日も大胆に担っている教会がここにもあることに励まされます。