2017年2月12日(日) 礼拝宣教要旨 西川口キリスト教会 朴 思郁 協力牧師
「イエスの平和を生きる」
「『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。『敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい』」(マタイ5:43-44)
私たち人間は、二つの軸、すなわち「現実」と「理想」という軸を持って生きる存在です。
人間は、現実に軸足を置きながら、空を見上げて生きる存在であるという意味です。
そういう意味で、世間でいう『隣人を愛し、敵を憎め』が現実の軸といえば、イエスの言われる
『敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい』とは、理想という軸なのです。
種々の問題を抱えている現実に軸足を置きながら、不可能に思える、もう一つの軸を目指して
生きるために何より必要なのは、バランスのとれた人間理解です。その人間理解とは、第一に、
人間は不完全な存在であることです。第二に、人間は誰もが変わることのできる希望を持って
いる存在であることです。第三に、人間は未完成な存在であるという理解、つまり人間は完成に
向かっている、現在進行形の存在であることです。最後に、「神は誰も差別されない」という理解です。
人間誰もが神にかたどって創られた、かけがえのない存在であり、「神は誰も差別されない」ということを心に覚えつつ、現実に軸足を置いて試行錯誤しながらも、常に「敵を愛しなさい」という、もう一つの軸を目指して生きること、それこそが「イエスの平和を生きる」ことです。