西川口キリスト教会 戸井田 敦子
聖書箇所: ルカによる福音書 12章51節
あなたがたは、私が地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。
主イエスは神の愛を説かれ、私たちの罪を贖うために、十字架にかかられました。主イエスが望まれたのは、私たちが主との正しい関係を回復することだと思います。そのイエス様が私たちに問いかける、この荒々しく挑戦的な言葉はどういうことなのでしょうか。
私たちは、それぞれ違った人生の背景で作られた価値観、いわば「固有の物差し」を持っています。その物差しは、自分の中に「ある」ということも意識できないほど、時には生理的反応ともいえるほど、無意識に私たちの様々な判断を左右しています。私たちは他者の物差しを知ることはできないし、また、往々にして自分自身の物差しと他者の物差しが違うのだということを忘れてしまいます。その結果、自分の物差しだけで他者の言動を裁いて争ったり、自分を裁いて苦しんだりするのではないでしょうか。
長い間慣れ親しんだ、安心できる古い物差しを捨てることは、古い世界との決別をもたらすかもしれない、とても難しく、恐ろしいことでもあります。なぜなら、それは私たちの人生を180度変えるということですから。しかし、主イエスはそれでも、自分の中心に新しい「主の価値観」を据えなさいと迫られます。すべてを主に委ねること、真の意味でそれができたら、と祈ります。主のご計画、主の枠組みの中にこそ、主の平和、真の自由があると信じ求めて、歩んでまいりたいと思います。