2017年1月1日(日) 礼拝宣教要旨 西川口キリスト教会 斎藤信一郎
主題)「神の御名を尊ぶ一年に」創世記3章1-3節
「主なる神が造られた野の生き物のうちで、最も賢いのは蛇であった。蛇は女に言った。「園のどの木からも食べてはいけない、などと神は言われたのか。」3章1節
第1節から早速、悪魔を象徴するへびの誘惑の言葉が登場します。一見するとなんの変哲もない会話ですが、最初の人類エバにとっては二重の意味で戸惑うような質問だったのではないかと想像します。一つには、その質問が神の言葉を疑わせるものだったからです。二つ目にはその質問が、彼女にへびの言葉を否定させるものだったからです。幸せな環境の中にいたエバは、それまで誰かの言葉を疑わせたり否定したりする質問などはされたことはないために不慣れで、戸惑いを覚えさせるものだったのではないでしょうか。
へびの質問に対して、エバは神が彼女に語った言葉を用いて返事をします。しかし、これをへびはすぐに自信たっぷりに全否定します。4節「決して死ぬことはない。」そしてさらに5節で園の中央にある木の果実を食べるとどうなるかについて語りますが、それらは全くのウソではありませんでした。実際、彼女は実を取って食べましたが、猛毒を食べる時のようにすぐには死にませんでした。また、へびが語った通りに目が開け、善悪とは何かについて以前よりも知る者となりました。しかし、これこそ悪魔の常套手段であり、誘惑の特徴なのです。つまり、悪魔は不都合な真実を隠しながら、部分的に正しいことを語って誘惑するのです。確かに神が禁止された果実を食べても瞬間的に死ぬことはありませんでした。しかし、神に背いた瞬間から死へと向かう存在になったのです。また、善悪について以前よりも知ることになります。しかし、何よりも問題だったのは、神の言葉を疑い、背くことによって神の聖なる御名を地に落としてしまったことでした。
私たちを取り巻く世界は嘘と欺瞞に満ちています。神の御名、そしてその清さも忘れ去られています。何が神の目に正しいことなのか簡単に見失ってしまうような世界です。そのような世界のただ中にあって、神の御心に背くように誘惑して来る悪魔の策略に目を覚まして立ち向かいましょう。そして共に神の御言葉と礼拝を大切にする一年にして参りましょう。