2016年7月10日(日) 礼拝宣教要旨 西川口キリスト教会 斎藤信一郎
主題)「天国銀行の預金残高」マタイによる福音書6章19-21節
「富は、天に積みなさい。…あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ。」(20節a、21節)
主イエスは私たちに地上にではなく、天に富を積むようにと教えられました。地上では虫が食ったり、さび付いたり、盗まれたりするなど、安全ではないからです。しかし、現代では銀行預金ができるなど、主イエスの時代のような心配はあまりないと言えます。それでも、銀行強盗、地震、洪水、戦争や貨幣価値の変動などによって、資産が無くなったり、価値が変わってしまうという新しい危険が存在します。やはり、主イエスが生きておられた時代と問題の本質はそう変わらないようです。もっとも、主イエスが本当に言いたいことはその後のところです。つまり、富は天に積むことが肝心だということです。何故なら天に富を積むことこそ、もともと神が求めておられる私たちの人生の使命だからです。
この世は職業訓練所のようなものです。天の御国において他の人々の役に立つ良い働きができるように、技術をしっかりと身に着けるところです。従って、私たちが真に富むべきはこの世的な貨幣という財産ではなく、神と人のために生きるという自分自身に磨きをかけることです。このたとえは人生の本当の目的を見失いがちな私たちへの主イエスならではのたとえなのです。
そして21節にあるように、私たちの心、つまり関心ごとがどこにあるのかがぶれてはいけないと教えておられます。この世に財産を蓄え、より快適で豊かな人生を自分自身が送るためにではなく、神の使命に常に心を向けて生きる時、それは天国でさらに豊かに用いられる財産となって私たちに戻って来るのです。私たちの心がどこにあるべきなのか、それは天国というよりも神とその目的にいつも置かれるべきだと主イエスは教えておられるのです。