2016年11月20日(日) 礼拝宣教要旨 西川口キリスト教会 斎藤信一郎
主題)「神が整えられた生活必需品」創世記2章8-15節
「主なる神は、見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。」2章9節
本日の個所では、神が人間のために万全を期して、エデンの園という場所を設けられたことが語られます。まず9節で、神は大きく分けて2種類の木を用意されています。一つは、私たち人間に必要不可欠となる食料としての果樹。しかも、それは単に食用としての役割があるだけでなく、観賞用にも優れていて食欲が湧くような美的要素と豊かな種類であることが伺えます。もう一つは、次回詳しく扱いますが、それは特別にエデンの園の中央に置かれ、神への正しい信仰の在り方が示される木でした。
続いてエデンの園を起点に4つの川が全地に流れていたことが語られます。これらの川は、当時、ペルシャ湾の河口付近から四方に流れていたとする説が有力です。
そして興味深いのが、それらの流域で金と琥珀とラピス・ラズリなどの鉱物が産出されたという記述です。どの鉱物も現代でも貴重なものですが、それぞれ宝石としての価値以外にも重要な役割があるものばかりです。金は風化、劣化しにくく、加工に優れ、自由自在に変形でき、1gの金を糸状に伸ばすと3㎞にも伸ばせる伸縮性にも優れた物質です。また鉱物の中では最もアレルギー反応を起こさない物質の一つで、虫歯の詰め物としても利用され、様々な機械の部品としても有用です。琥珀は植物の樹液が高圧の下で固まった物質で、熱すると香を放ち、精神を安定させる効用もあることが分かっています。ラピス・ラズリはエジプトやバビロニア帝国の権力者に愛用され、判断力を高め、邪念を退ける効果など、人間の精神に優れた影響を与える貴重な物質として利用されて来ました。このようにして果樹も川も鉱物も現代に至るまで、人類の生活および健康に豊かに役立つ生活必需品として、神が用意周到に準備されていたことが語られています。
最後に「エデンの園」とは「喜びの園」という意味です。つまり、人間が喜びに満ち溢れて生きることができるために、神が特別に整えられた場所だったことが分かります。あとは私たち人間側が、神から与えられているものを、どのように人類の幸福のために用いるかが問われているのです。