出エジプト記16章29~30節
「「よくわきまえなさい、主があなたたちに安息日を与えたことを。そのために、六日目には、主はあなたたちに二日分のパンを与えている。七日目にはそれぞれ自分の所にとどまり、その場所から出てはならない。」民はこうして、七日目に休んだ。」
イスラエルの民が本日の箇所のように7日毎に休んで神の御業を覚えながら礼拝して過ごすようになったのは、今から約3,000年以上前のことでした。この出来事は奇跡的にエジプトでの奴隷状態から解放された直後のことでした。その後もイスラエルは2度国が亡びるという経験をしています。最初は紀元前586年にバビロニア帝国に征服された時で、イエスが生まれる前までにローマの植民地として復活しています。もう一つは紀元70年にエルサレムがローマ帝国に征服された時で、時間は掛かりましたが1948年に再びイスラエルは建国を果たしています。このような世界に類を見ない復活を遂げることができたのは、ユダヤ民族のより所となる聖書と礼拝信仰が継承され続けたからだと考えられます。
今日でも敬虔なユダヤ人たちは安息日を厳格に守って生活しようとしています。一例として、安息日は金曜の夕方(日没)から始まるのですが、その日は朝から安息日に備えて家族総出で準備をし、安息日が始まる時間になるとラッパの音が市内に響き渡り、各家庭では安息日の家族晩餐会が始まります。白いテーブルクロスの上に安息日を聖別するように教えている出エジプト記20章8節と申命記5章12節にちなんで2本のローソクが灯され、今日の箇所でも示されている安息日のために神が通常の2倍のマナを与えて下さったことを象徴するパン二つがテーブルに置かれ、ぶどう酒の杯の上に手をかざして祈りが捧げられて食事と家族の団欒の時を持つそうです。次の日は家族全員で礼拝に出かけ、ゆっくり礼拝に参加し、夕刻時の空に3つ目の星が現れた時分に再びラッパが鳴り、家族は安息日(シャバット)とのお別れの祈りを行い、「シャプア・トーフ=良き一週間を」と挨拶を交わしながら安息日を終えるということです。
非常に多忙な時代に生きる私たちだからこそ、神がイスラエル民族に徹底して教え込まれた安息日の過ごし方から学ぶことの大切さを教えられます。