「神の国の始まり方」 2015年3月22日 ルカによる福音書19章11~21節
19:13 そこで彼は、十人の僕を呼んで十ムナの金を渡し、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』と言った。
今月は主の祈りの第二の祈り「御国を来らせたまえ」の意味について学んで参りました。神様が救い主を通して与えて下さろうとしている神の国とは、第一に罪に勝利して生きることができる世界です。第二に神との正しい関係を新たに築きあげながら神と共に生きることができる世界です。そして第三が今回の箇所であり、神は私たちが主イエス・キリストの僕となってこの世における特別な使命のために忠実に生きるように導いておられます。
主イエスは十字架のあがないを遂げるために弟子たちと群衆と共にエルサレムに向かっている途中でした。そこで主イエスはたとえを通して自分が「遠い国」つまり死の世界に人類の罪を背負って行かなければならないことを伝え、人々の願うような仕方でイスラエルをローマ帝国の支配から独立させるような役割を果たすことはないと教えようとされました。
その上で、主イエスが戻って来るまでどのように生きるべきかをたとえの中で教えられました。主人が託した資金を忠実に目的のために用いるかどうかが鍵でした。その使命を忠実に果たした者たちは、その成果に応じて何倍もの報酬を受けました。しかし、主人が託した使命を理解せず、自分の失敗ばかり恐れた僕は持っているものまで取り上げられてしまいます。大事だったのは商売をして成功するか、失敗するかではなく、忠実に使命を果たそうとしたかどうかだったのです。
私たちも時として自分のしていることや、あるいは将来に対して自信が持てない時があるかも知れません。でもそのような時こそ、一度自分自身から目をはずし、父なる神の目に正しいこととは何かを見つめ直す必要があります。主イエスこそ私たちに罪に勝利する力を与え、私たちと共に託された使命を担って下さる救い主です。このお方に倣って「御国を来らせたまえ」と祈る者でありたいと思います。