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主日礼拝宣教要旨

2015年12月27日「子どもたちの明日のために」 マタイによる福音書2章16-23節(斎藤信一郎牧師)

「子どもたちの明日のために」 マタイによる福音書2章16-23節

「しかし、アルケラオが父ヘロデの跡を継いでユダヤを支配していると聞き、そこに行くことを恐れた。」(22節)

 

主イエスが生まれた時代にイスラエルを治めていたヘロデ大王は王座に就くなりイスラエルの最高決議機関であるサンヘドリンの議会関係者を300人以上殺害し、また自分の家族も何人か殺すような人でした。従って、自分の将来を脅かす可能性のある子どもがベツレヘムで生まれたとの情報を耳にした時、その町の2歳以下の幼子たちを容赦なく殺害したことは十分考えられることでした。小さな町の30人くらいの幼児の殺害など、ヘロデ大王の治世ではさほど珍しいことではなかったようです。

そのヘロデ大王が死んだというのでイスラエルに戻ろうとしたヨセフ一家でしたが、ヘロデ大王の後にイスラエルを三地域に分割して統治したのは三人の息子たちで、特に最初に戻ろうとした故郷のユダヤ地方を治めていたのが父よりもさらに殺戮を繰り返したと言われるアルケラオという王様でした。彼は就任と同時に3000人の町の有力者を殺害したとされています。そのような事情を耳にしたヨセフは夢のお告げでヘロデ・アンテパスが統治していたガリラヤ地方に行き、ナザレという町で落ち着くことになります。このような時代背景でしたので当時の人々が心底自分たちを恐怖政治から救い出してくれる救世主を待ち望んでいたことにうなずけます。

私たちが生きている現代にも無数の脅威が存在します。無理な地域開発、産業発展等の影響による地球温暖化、深刻な二次災害、異常気象や飢餓、世界中に広がるテロと戦争の恐怖、イタチごっこのように次々登場する新たな未知の疫病、後を絶たない様々な暴力やいじめ、育児放棄等による人格破壊や自殺問題など、世の終わりを連想させる世界的な状況があります。主イエスはまさにそのような時代だからこそ短い生涯でしたが、命がけで最後まで福音を告げ知らせて生きられたのです。来る新年も暗闇に光る明けの明星として共に希望の光を世界に灯していきましょう。

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