一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。(使徒言行録2:4)
主イエスを通して成就された神の救いの計画、主イエスの教会の誕生の次第を、今日まで代々の教会が語り継いできた。主イエスは罪と死の支配の終焉を宣言し、復活の生命をもって弟子たちに現われ、昇天の後、イエスをキリストと信じ従う者たちの群れに約束の「聖霊」が送られた。常に共にいて助け慰め、必要なことをなさしめる神の霊が注がれた時、この地上に主イエスのからだである「教会」が誕生した。「使徒言行録」は言わば最初期の「教会」を物語る文書である。
「使徒言行録」に続く「教会」の物語は未だ完結していない。2000年近い「教会」の歩みは常に混迷の相を呈してきた。しかし「教会」の「かしら」「持ち主」である主イエスは自身の主権においてこの世界に「教会」を置き続けられた。そして我々も「使徒言行録」に続く「教会」の物語の最新部分を日々書き続ける使命に立たされている。共同体としての歩み、個々の生活におけるキリスト者の歩み、両者共に「主人公」たる主イエスを指し示す「教会の物語」なのである。