心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。(ヨハネによる福音書 14章1節)
主イエスは十字架の死を前にして弟子たちにこの言葉を語られた。不安におののく弟子たちにとって、この言葉はどう響いたであろうか。また、我々にはどう響くであろうか。もし、「神を信じているのなら、どのような時にも平常心でいられるはずだ」という言葉であるなら、我々はうつむいて主イエスのもとを去るほかない。
しかし、そうではない。十字架の死を前に誰よりも心を騒がせられたのは、他でもない主イエスであった。人間として誰よりも思い煩って下さった主イエスは、我々の騒ぐ心をも分かって下さる優しい方である。
主 イエスは、我々の分まで悩み、痛み、悲しみ抜かれた。そして、「あなたの騒ぐ心ごと抱えてわたしのところに来なさい」と呼びかけて下さる。そのゆえに、我々は困難な状況に立たされる日も「今日を生きる」という神の召しに従って生きていけるのである。