神は豊かな憐れみにより、わたしたちを新たに生まれさせ、死者の中からのイエス・キリストの復活によって、生き生きとした希望を与え、また、あなたがたのために天に蓄えられている、朽ちず、汚れず、しぼまない財産を受け継ぐ者としてくださいました。
ペトロの手紙一1章3〜4節
この手紙を書いたとき、ペトロは70歳を越えており、殉教する前であったと思われます。これから、皇帝ネロによるキリスト者に対する大々的な迫害が起こりそうな状況でした。また、このときの教会員は世代交代し、イエスさまを見た人はほとんどいなかったのです。不穏な空気の中で、教会員の不安と恐れはとてつもなく大きかったのです。「これからどうなるのだろう」「どうすればいいのだろう」そのように先が見えないとき、私たちは目の前のことにすぐに心が奪われて絶望的になってしまいます。安心できないので次第に心までも疲弊してしまいます。そこで、ペトロはそんなときこそ大事なことを忘れないようにと上記の聖句を伝えたのです。
ペトロ自身も自分の弱さを嫌と言うほど知っています。嵐が来るとすぐにイエスさまから目をそらして、溺れそうになる自分を知っていたのです。しかし、その都度イエスさまに助けられてきました。それで、どんなときも主が共におられることを知りました。その主を信じることは、生き生きとした希望であり、朽ちず、汚れず、しぼまない財産を受け継ぐことなのです。私たちもその財産を受け継いでいます。だから、すべての人に、特に人生のいろいろの試練の中におられますお一人ひとりに、この財産を受け継いでほしいのです。;;”319″