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主日礼拝宣教要旨

「世代を超える信仰」 朴 思郁 牧師

2025年7月6日(日)
主日礼拝 宣教要旨
聖書箇所:詩編78編5~8節

「78:5 主はヤコブの中に定めを与え/イスラエルの中に教えを置き/それを子孫に示すように/わたしたちの先祖に命じられた。78:6 子らが生まれ、後の世代が興るとき/彼らもそれを知り/その子らに語り継がなければならない。」

詩編78編5-6節

 詩編78編は、イスラエルの歴史を振り返りながら、神様の恵みと民の不従順を対比して描いた教訓詩です。詩人は過去の世代が神様の恵みを忘れて反抗を繰り返したことを記録し、同じ過ちを繰り返さないよう警告しています。「世代を超える信仰」という主題のもと、本日新しく教会員として迎えるご家族を通して、真の信仰の継承について考えてまいります。
 第一に、詩編は「信仰継承の真の意味」を示しています。神様が与えられた「定め」と「教え」を「子孫に示すように」という言葉は、単なる血縁関係による継承ではなく、神様の恵みを体験した者が次の世代に神様の真実を証しすることを意味します。バプテスト教会では一人ひとりが神様と個人的な関係を持つことを重視し、親が信仰を持っているからといって子どもが自動的にクリスチャンになるわけではありません。一人ひとりが自分自身で神様と出会い、自分の意志で信仰を決断する必要があるのです。
 第二に、詩編は「語り継ぐべきもの」を明確にしています。それは抽象的な教理ではなく、私たち一人ひとりが神様からいただいた具体的な恵みの体験です。困難な時に支えてくださった神様の愛、迷いの時に導いてくださった神様の真実、罪深い自分を受け入れてくださった神様の赦し。また、どのような状況にあっても変わることのない神様の愛と真実です。荒れ野の旅のように、私たちの人生も神様の導きに従う歩みであり、思うように進まない時にも神様の真実さを信頼し続けることが大切です。
 第三に、詩編は「個人の決断を大切にする継承」を警告しています。「頑な反抗の世代」「心が確かに定まらない世代」とならないよう、形式的で強制的な継承を避けることが重要です。真の信仰の継承とは、一人ひとりが神様と真実な関係を築くことであり、押し付けではなく愛をもって証しし、祈り、そして何よりも一人ひとりの自由な決断を尊重することです。信仰は強制や説得によって生まれるものではなく、神様の恵みによるものなのです。
 現代において「世代を超える信仰」とは、血縁関係を超えた神の家族として、すべての世代が互いに支え合い、信仰を分かち合う共同体を築くことです。独身の方、子どものいないご夫婦、家族に信仰者がいない方も含めて、すべての方が神様の家族の大切な一員として信仰の継承に参与できます。過去を懐かしむのではなく、未来への希望に向かい、先輩たちの信仰から学びながらも、より豊かな信仰の証しを次の世代に残していく使命があります。それは神様の愛による継承であり、世代から世代へと受け継がれる恵みの輪の中に、今日私たちも加えられているのです。

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