西川口キリスト教会 斎藤 信一郎 牧師
◆今月の主題…「キリストのご降誕・復活・再臨の希望」
<原則として、ご自分で聖書本文を読み、黙想してから以下の文章、聖書教育誌、その他の参考文献を読むことをお奨めします。また、黙想の際に聖書地図で確認し、違う聖書訳を比較して読むこともお奨めします。>
※『聖書教育』誌は日本バプテスト連盟発行の教会学校教
◆黙想のポイント
人によっては何度も繰り返し読んで来た箇所かも知れません。しかし、神のみことばは、読むたびに教えられると共に、新たな気付きと感動を与えてくれます。共に聖霊の臨在と導きをいただきながら、神が示して下さる真理に期待しつつ、黙想しましょう。
◆イエス・キリストの誕生
1:18 イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。1:19 夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。1:20 このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。
>>>許嫁であるマリアの突然の妊娠に戸惑うヨセフが想像できます。親戚のエリサベトは、初代大祭司アロンの家系でした(ルカ1:5「ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった」。)。従って、マリアも特別な祭司の家系に属していたことがわかります(ルカ1:36 「あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。」)。ちなみに、祭司の家系では未婚かつ性経験がない女性を妻にしなければならない聖書の掟がありました(レビ記21:13-14「祭司は処女をめとらねばならない。やもめ、離縁された女、遊女となって身を汚した女などをめとってはならない。一族から処女をめとらねばならない。」)。従って、ヨセフ自身はレビ族ではなかったものの、マリアの一族の掟を考えると、なおさら心が痛んだのではないかと思わされます。しかし、天使は明確に二つの真実をヨセフに伝えました。マリアの「胎の子は聖霊によって宿った」命であること。そして、次節で語られているように、その子がやがて「自分の民を罪から救う」使命を神から授かっているという驚くべき内容でした。ユダヤ人には、民を罪から救い得るのは神だけだという信仰理解がありました。ですから、天使のこのみ告げは、にわかには信じることができなかったのではないでしょうか。しかも、これは夢の中でのお告げでした。マリアの時は直接天使ガブリエルが現れて神のご計画を告げます(ルカ1:26-27「六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。」)。それにも関わらず、ヨセフは夢で聞いたことを実際に実行に移していくことになります。そこに彼の揺るぎない神への純真な信仰を見ます。
1:21 マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」1:22 このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。1:23 「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。
>>>キリスト誕生の究極の目的が表現されています。人類の祖であるアダムが罪を犯して以来、罪の影響下で神から遠く離れてしまっている人々に近づき、寄り添い、共に歩むために、神は自ら近づき、私たちの生活の現場に来て下さいました。エデンの園で、罪を犯した直後のアダムとエバの元へ、神の方から近づいて行かれた時と同じです。神の途方もない憐れみと忍耐は聖書を通して貫かれています。神は今もなお、主イエス・キリストに信仰を置くすべての「自分の民」を「罪から救う」という御業を行い続けておられます。罪から救われるという意味には、罪の影響で神から遠ざかってしまっている悲劇から、再び神の御許へと引き寄せ、神から離れないようにして下さることが含まれています。神は私たちと共にいたいと宣言して下さっているのです。私たちをそれほどまでに愛していると訴えておられるのです。
1:24 ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、 1:25 男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。
>>>ヨセフは夢で天使が命じたことをすぐに実行に移しました。ヨセフという名前は「子を授かる」という意味です。文字通り、神から特別な子どもを授かったヨセフでした。その後も、初代教会で活躍する主イエスの兄弟ヤコブも授かっていくことになります。ヨセフとマリアの神への誠実な信仰こそ、この世に主イエス・キリストを誕生させたのだと示されます。ヨセフ、そしてマリアは私たちすべての模範です。神は私たちひとり一人の心の中心にも、主イエス・キリストの住まわれる居場所を確立したいと今日も働き続けておられます。この働きに私たちも招かれています。クリスマスのこの時期、主イエスの福音に一人でも多くの方が導かれ、心にお迎えしていただけるよう、共に祈り、用いられて参りましょう。
◆話し合いのポイント<聖書教育誌を読んで>
・様々な良い視点がありますが、特に99pのコラムをもとに話し合ってみてはどうでしょうか。
携帯やタブレットの普及で、家族や友人同士の間でも直接対話が減ってきている現実に直面している人が多い世の中です。自由に分かち合いましょう。