2016年10月 祈祷会・教会学校 聖書箇所 10/23日 エゼキエル書37章1-14節「主が霊を吹き込むと」
総合テーマ 神の臨在を悟る
予備知識…エゼキエル書 <紀元前587年南王国ユダ滅亡の前後で活躍した預言者エゼキエルによる書>
・エゼキエルは祭司の家系に生まれ、彼自身も捕囚の民となり、バビロンでも預言を続ける。
・前半1~3章)エゼキエルの召命、4~24章)エルサレム滅亡の預言、25~32章)諸外国に対する預言
・後半33~39章)イスラエルの回復の預言、40~48章)神殿の幻
前半はバビロン捕囚について、後半は捕囚後の民に罪の悔い改めとバビロン捕囚からの解放の福音を預言する。
黙想のポイント
・読みながら枯れた骨が何を意味するのか黙想しましょう。現代ではどのようなことを指すのか黙想しましょう。
◆ 枯れた骨の復活(南北両王国の回復)
37:1 主の手がわたしの上に臨んだ。わたしは主の霊によって連れ出され、ある谷の真ん中に降ろされた。そこは骨でいっぱいであった。
37:2 主はわたしに、その周囲を行き巡らせた。見ると、谷の上には非常に多くの骨があり、また見ると、それらは甚だしく枯れていた。
>>>甚だしく枯れていることは、長い間置き去りにされたままだったからでしょうか。見捨てられたままになっているようなイスラエルの民の現状が表現されているのでしょうか。
37:3 そのとき、主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか。」わたしは答えた。「主なる神よ、あなたのみがご存じです。」
>>>復活された主イエスにペテロがした返事と似ています。あなたのみがそれを可能として下さいますとの信仰。
37:4 そこで、主はわたしに言われた。「これらの骨に向かって預言し、彼らに言いなさい。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。
>>>枯れた骨とは生きる希望とイスラエルの神への信仰を失ってしまっていた民を象徴していることが見えて来ます。
37:5 これらの骨に向かって、主なる神はこう言われる。見よ、わたしはお前たちの中に霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。
>>>創世記第2章にも語られていた現代にも通じる聖書の重要な福音理解が語られています。つまり、人は神の霊(息)を吹き入れられて生きる存在となること。どんな時代に生きる者も、この神の聖霊を受け入れて生きることが極めて大切なことだと聖書全体で語られています。
37:6 わたしは、お前たちの上に筋をおき、肉を付け、皮膚で覆い、霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。そして、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。」
>>>神はイスラエルの国をただ単に回復されたいのではなく、聖書の神に確かな信仰を置く民を再創造されようとしておられることが伝わって来ます。そして、それはイエス・キリストへの信仰にも通じています。
「また、聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である」とは言えないのです。」
コリントの信徒への手紙一12章3節b
37:7 わたしは命じられたように預言した。わたしが預言していると、音がした。見よ、カタカタと音を立てて、骨と骨とが近づいた。
37:8 わたしが見ていると、見よ、それらの骨の上に筋と肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆った。しかし、その中に霊はなかった。
>>>どんなに人間としての健全な肉体が備わっていても、神が与える聖霊が伴わなければ到底十分とは言えないことが強調されています。
37:9 主はわたしに言われた。「霊に預言せよ。人の子よ、預言して霊に言いなさい。主なる神はこう言われる。霊よ、四方から吹き来れ。霊よ、これらの殺されたものの上に吹きつけよ。そうすれば彼らは生き返る。」
>>>聖霊の働きは自動的には起こらないことが示唆されています。神は聖霊が死んだような人々の間に働くように預言し、執り成し祈る者を必要としておられます。
37:10 わたしは命じられたように預言した。すると、霊が彼らの中に入り、彼らは生き返って自分の足で立った。彼らは非常に大きな集団となった。
>>>今日のバプテスマを連想させるような場面ではないでしょうか。バプテスマ式は司式者と教会員の執り成しの祈りの中で行われる儀式です。これを通してバプテスマを受ける者は神の導きに従って生きる新たな人生に迎え入れられます。その際、聖霊の働きは不可欠です。今回の個所も同じ精神が流れていると言えます。
37:11 主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。彼らは言っている。『我々の骨は枯れた。我々の望みはうせ、我々は滅びる』と。
37:12 それゆえ、預言して彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはお前たちの墓を開く。わが民よ、わたしはお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。
37:13 わたしが墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。
>>>わが民よ、わが民よと繰り返し愛情を込めて語る神の言葉を心に留めたいと思います。神はどんなに困難な状況下にあって希望を見い出せずにいる人にも再び希望を持つことができることを預言しておられます。そして、その使命はエゼキエルに託されたように、私たちにも託されているのではないでしょうか。
37:14 また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」と主は言われる。
>>>繰り返し、神の霊、すなわち聖霊の存在と役割の大切さが語られています。聖霊こそ、私たちに主なる神を自覚させ、その働きを理解することを導く助け主であることが語られています。また、聖霊こそ、私たちにエゼキエルのような働きを導く方であることをわきまえ、自分の力にではなく、聖霊の助けを謙虚に求めながら神の宣教の業に加えられていく者となりましょう。
分かち合いのポイント
・現代に生きる私たちの周り、世界中どこを見ても希望を見失って生きている人々がいます。彼らにどのように寄り添い、再び希望を見出すことができるように関われるでしょうか。それぞれの体験を分かち合いましょう。また、その時に教会員の仲間の祈りや協力が役に立った経験があれば、是非分かち合ってください。